日本の古典柄にこめられた想い【動物由来の柄】 – KIMONODE DESIGN 02

きものの古典柄に登場する動物たち。
動物の生態や特色をもとに、色々な意味が込められているようです。
今回はその中から縁起の良い意味の込められた柄を何点かご紹介します。

『想像上の動物』由来の柄

dragon


古代中国で、天に昇り雨を降らすと言われていた想像上の神獣です。
古代中国では皇帝を象徴するものだったとの事ですが、日本では比較的自由に使われていたようです。
天に昇るイメージから、『栄光』や『発展』の象徴となっています。

鳳凰

chinesephoenix


龍と同じく想像上の生き物です。
中国では徳の高い君子が帝位につくと出現するとされており、縁起のある柄だったようです。
縁起の良い、不老長寿を願う吉祥文様です。

花喰鳥(はなくいどり)

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花枝や花房を、くちばしにくわえて飛ぶ鳥の姿。
鳥は楽園から飛来して『幸福を運ぶ』とされています。

『鳥』由来の柄

sparrow


群れて行動する事から、『一族繁栄や豊作』を意味する吉祥文様として使われる事が多い柄です。
『稲穂に雀』や『竹に雀』など、身近な自然と相性が良く、好んで使われています。
また、まんまるにデフォルメされたふくら雀(ふっくら→福良)の模様も人気です。

燕(ツバメ)

swallow


渡り鳥のツバメは、『恋を運ぶ』と言われています。雄雌共同でヒナを育てるため『夫婦円満』『家庭円満』の象徴とされています。
ツバメの雄は卵を抱く事もあるようですよ。

鴛鴦(オシドリ)

mandarinduck


オシドリは、つがいで生活する事から、『夫婦円満』の意味を持ち、婚礼にまつわる贈答品等に良く扱われています。
(知りたくなかった余談ではありますが、実はオシドリは毎年パートナーを変えるそうです・・笑)

千鳥

plover


水辺に見られる鳥で、水と合わせた浜千鳥や沢千鳥、簡略化した千鳥を並べた、千鳥格子等で知られています。
鳥は、『富貴を運ぶ』として喜ばれる柄で、群生を成して飛ぶ姿等も好まれています。

孔雀

peacock


『強い生命力』と気高さを持った鳥で、美しい尾羽はデザインとしても豪華で目を引きますよね。
孔雀は神経毒に耐性を持つためサソリや毒虫なども食す事から『邪気を払う』柄とされています。

crane


亀と同じく、『長寿』のイメージで好まれる柄です。立ち姿も飛ぶ姿も共に美しく、亀や雲、波模様等と一緒に使われる事も多く、現在でもお祝い事に好まれる柄です。
鶴は夫婦仲が良く、生涯共に暮らすそうです。

『水辺の生物・魚』由来の柄

亀・亀甲

tortoise


鶴は千年、亀は万年と言われるように、『長寿』のシンボルとして愛されてきました。
西アジアから中国を経て日本に伝わったもののようです。
ちなみに亀の尾から流れるように表現される毛のようなものは、実は水棲の藻が生えたものなのだとか。『蓑亀(みのがめ)』と言い、長寿を願う縁起物だそうです。

carp


中国では鯉は滝を上り、やがて龍になると言う故事にちなみ、『出世』魚として描かれています。
端午の節句の鯉のぼりでも、子供の出世や健康を願うものとして受け継がれていますね。

shellfish


貝を合わせた模様です。
蛤は元々の組み合わせの殻でないとぴったり合いません。
その点から、夫婦の契りの強さを表し『夫婦仲、家庭円満』の意味が込められているのだそうです。
平安時代の貴族の間では蛤の模様を合わせる、「貝合わせ」という遊びがありました。

『哺乳類』由来の柄

鹿

deer


古代より神の乗り物といわれ、『長寿延命』を象徴する動物とされています。
紅葉等、秋の植物と組み合わせられて使われる事が多いようです。

rabbit


跳ねる様子から、『飛躍』や『出世』の願いが込められているそうです。
昔から月の使いといわれ、『ツキを呼ぶ』縁起のよいものとされてきました。

『昆虫』由来の柄

butterfly


『長』も同じ読みである事から、『長命』の意味があります。
幼虫からさなぎに、さなぎから美しい蝶となるところから『立身出世』の願いも込められた柄です。

トンボ

dragonfly


トンボは俊敏、力強さ、後ろ向きに飛ばない等の理由から、勝ち虫とも呼ばれ、武士に好まれました。
菖蒲の花と勝負をかけて、トンボと菖蒲の組み合わせも好まれます。

まとめ

きものを彩る動物たち。
身近な動物から想像上の生物まで、様々な柄がありました。
動物たちのたくましさ、生きる力を柄に込めていたのかもしれませんね。
次回は、『自然』や『植物』を由来とする柄をご紹介いたします。

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